子どもたちと児童館職員でつくった、外でできる遊び
「子どもたちと外遊びをしたいけど、なんだかいつもおなじ遊びばっかりになってしまう」
このようなモヤモヤした気持ちを抱えられていませんか?
この記事では、全国各地の児童館職員と利用する子どもたちが一緒にオリジナルで開発したり、既存の遊びをより楽しくなるようアレンジを加えた外遊びをご紹介しています。
子どもたちが自分たちでつくった遊びを体験し楽しんでいる様子や、「遊びをつくる」こと自体が子どもたちにとっての遊びになっているということを感じていただけることでしょう。
子どもたちにとって大切な時期を日々ともに過ごしていらっしゃる、次のような方の、お役に立てていただけたら嬉しいです。
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・外で子どもたちが楽しめる遊びやレクリエーションを探している。
・自分や子どもたちが知っている遊びだけだと限られてしまうので、幅を広げるアイディアがほしい。
・「外遊び」を、子どもたち同士が仲良くなるきっかけにするとともに、子どもたちの能力育成にもつなげたい。
・想い出に残るような体験を子どもたちにさせてあげたい。
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自分たちがいる環境で、もっと「外遊び」ができるように
わたしたち児童健全育成推進財団は、児童館などでの外遊びの「きっかけづくり」を目的として、児童館職員を対象とした「野遊び・外遊びプログラム実践研究会」を2017年から定期的に開催しています。
児童館というと、屋内で遊ぶというイメージがあるかもしれません。また街中にある施設では、必ずしも周りにたくさんの自然があるという環境ではないため、どうしても屋内での遊びがメインになりがちです。
ですが、外遊びや自然の中での遊びは、心・体・脳をバランスよく発達させます。さらには、自己肯定感や折れない強い心、コミュニケーション力や、思いやり、問題解決力など、いま世界で注目されている数値では測りにくい能力=「非認知能力」を伸ばすということも考えられています。
このように、外遊びはさまざまな経験や成長の機会を子どもたちにもたらしてくれるため、わたしたちも子どもたちが自分たちの家や学校の周りなどの身近なところで、気軽に自然に触れたり屋外で遊んだりできる機会を増やしたいと考えています。
子どもたちと児童館職員でつくった、28の「野遊び・外遊び」
2021年、2022年合わせて28の児童館がこの研究会に参加しました。年間を通して子どもたちと遊びの企画・計画から、準備、実施、フィードバック、ブラッシュアップを行い、日常の外遊びとしてできるものから、一つのプロジェクトとして時間をかけて創り上げていくものまで、さまざまなプログラムが生まれました。
プログラムの中でつくられた遊びをそのまま参考にしていただいてもよいですし、実際に子どもたちと一緒に「遊びをつくる」体験をされてみるのもおすすめです。「自分たちだったら、どんなことができるかな」と考えながら読んでいただくと、何かヒントを得ていただけると思います。
すでにルールや遊び方が決まっている遊びをするのではなく、その遊び自体を自分たちでつくるということ。
そこには、想像力や創造力はもちろん、自分や友だちが楽しく遊ぶためにはどうしたらよいかという人への配慮や自主性、思いついたアイディアをかたちにしていく構築力など、子どもたちのいくつもの能力を育てる要素が詰まっています。
とはいえ、「実際に子どもたちと遊びをつくることをしたくても、何をしてよいかわからない」
ということもあるかと思います。そこで、考える際のヒントになるよう、遊びの発想の切り口ごとにご紹介しています。また、一口に「遊びをつくる」と言っても、子どもたちにどのような経験をさせたいかはひとつに限らないため、4つのプログラムのタイプを記載しています。
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<プログラムのタイプ>
① 新しい遊びをつくる
② みんなで目的のものを創作する
③ 遊びのアイディアを提供し、それをかたちにして遊ぶ
④ 場所や物を提供して、自由な発想で遊ぶ
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日々、子どもたちの成長を願い一緒に過ごされる方へ、子どもたちとの外遊びの幅を広げる手助けになれば幸いです。
実際に14の児童館で生まれた「野遊び・外遊び」を下記からご覧いただけます。
各カテゴリごとにまとめていますので、気になるものからご覧ください。
「遊びの天才」に対して大人ができること
「子どもは遊びの天才」ということを耳にしたことがあるかもしれません。
普段から子どもたちと接している方は、子どもが遊ぶことを通じて、身体的にも情緒的にも自分を育て、また生きていくうえで必要な知恵を身につけていく姿を目の当たりにされていることでしょう。
しかし残念なことに、日本の子どもたちの遊びの時間は減少の一途をたどっています。
特に外遊びの時間に関しては、小学校高学年の子どもたち400人を対象に2016年に行われた調査によると、1981年の2時間11分から2016年は1時間12分と、この35年の間で1時間も減っています。さらに、子どもたち自身が外遊びをするために希望する時間も、1981年では3時間7分もあったのに対し、2016年では1時間35分と1時間30分も減っています。
屋内でのゲーム遊びや習い事の時間の増加、近所で遊べる場所の減少などの理由から、時間的にも物理的にも、そして子どもたちの意識的にも、外遊びの時間が減っている状況です。
そのような中、外遊びのきっかけづくりができる児童館は貴重な存在です。
そして、この「野遊び・外遊びプログラム実践研究会」は、今年2023年も実施いたします。
今回はどんな遊びのアイディアが生まれてくるか、ぜひお楽しみに。
今回は遊びのプログラムのご紹介でしたが、本サイト「コドモネクスト」では、全国の児童館で実際に子どもたちと遊んでいる、ちょっとした時間に簡単に遊べる遊びもご紹介しています。
「あそびをさがす」「各児童館から」のコーナーで、チェックしてみてください。