子どもから自然発生する遊び
◆プログラム名
・全力あそび発掘大作戦
◆プログラムのタイプ
・新しい遊びをつくる
◆対象
・小学生
◆用意するもの
・塩分チャージタブレット
・子どもが要望する物(シャボン玉、ガムテープ、ブルーシート)
◆遊び方
・宝さがし
特に遊びのプランは考えず、地域を探索していると落ち葉が沢山落ちている広場を見つけ、子どもたちから「ここであそびたい」と要望があり、周囲に落ちていたペットボトルや空き缶などを活用し宝探しが始まる。時間制限や範囲、ルールなど自分たちで工夫してあそびを展開。
・しっぽとりゲーム
普段の外遊びの際に、4年生の男の子が落ちている草で「これしっぽにして、しっぽ取りしよ~」と発したことがきっかけに、後日数人が自然と草を活用したしっぽ取りゲームが始まった。子ども同士で範囲を決めたり、陣地取りをルールに加えるなどと工夫して遊びが展開。
・ことろことろ
鬼ごっこの一種で、オニは子数人が先頭の親の肩に手を置いた子の列と向かい合い、一番後ろの子にタッチできたら勝ちという遊び。遊んだ子どもの声でルールが変化し、
自然と子どもたちが集まる。
・缶蹴り
遊ぶスペースが狭かったり隠れる場所が少ない場合は、子どもたちが状況に合わせてルールを工夫し、缶蹴り+鬼ごっこで行い遊びが持続。
・シャボン玉
吹き棒がなくても、草木や手で輪っかを作って吹き方や形を工夫して楽しんだ。後日、モールやストローを使って製作した延長でシャボン玉をやっていると、高学年の男子が「おっきなシャボン玉をつくりたい」と、フラフープやガムテープなどのさまざまな素材に興味を持ち試す様子があった。
・綱引き
なわとびを使った綱引きが始まり、縄が長すぎて絡まったりするので、1人の男の子のアイデアでタオルに変更した。何試合か行ってしばらくすると、タオルの奪い合いから、オニにタッチされないように仲間にパスする「パスパス鬼ごっこ」に発展。
◆プロセス
・このプログラムを実践するにあたり、普段、大人から子どもへ提案したあそびは長続きすることが少なく、子どもが自ら遊び込む様子が見られない事も多いことから、子どもたちがしたいあそびを環境や状況に応じてどう展開していくのかを焦点に考え観察していくことになりました。
・「いつでも・どこでも・誰とでも」をテーマにし、事前に遊ぶ内容を子どもたちと話し合って実施する場合と、自然に遊びが始まる場合があり、どちらも子どもたちのあそびに対する意欲や想像力に任せ観察していきました。子どもたちは、環境や状況によって柔軟に対応し自ら楽しむ姿があり、他の子への興味・関心を刺激し楽しみが伝染していき、面白く遊びの展開や持続する様子が見られました。子どもは遊びのプロであることを実感しました。
◆ポイント
・子どもが主体的に遊びを展開させていくことで自然に楽しむことができ、ルールや状況に捕らわれず、子どもたちの柔軟に対応する力を伸ばすことのできる遊びの経験が大切である。集団で楽しく遊ぶ様子が他児への刺激となり、自主的に参加していくことで遊びが広がっていく。
◆子どもたちの声
・自分が知らないあそびがまだまだあるのだと知れた。やったことのないあそびが出来て、最高。でも、難しいルールとかを説明するのが大変だった。(2年生)
・今度は、山とか海とか他の公園とかでもあそびたい。(4年生)
・人数多い児童館の仲間だからこそ、楽しい。家族と外あそびするが、友達とやったほうが楽しいあそびもある。(4年生)
◆担当職員の声
・今回、場所や道具を提供する以外は基本的に子どもたちを主としてプログラムを進めてきました。大人がアドバイスしたくなる場面も多々ありましたが、ぐっとこらえ見守りました。
・外あそびをしている時は、職員が下したあそび以外でも、どんなあそびがどんな風に展開し定着するのか、また同じあそびでも環境や時間帯が変わると変化するのかなどに注目し、観察してきました。普段マンネリ化した児童館でのあそびも、このプログラムが終わったあとから、子どもたち自ら新しいあそびを探したい、昔あそびを検索したいなどあそびへの意欲や探求心が高まったように感じる。
(実施施設:いしかわ児童館 ~沖縄県うるま市~)