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子どもたちが工夫できる余白をつくる、野遊び・外遊びを開発

近年、子どもたちが外で遊べる機会が減少しています。その背景として、空き地の減少、公園を利用する際の騒音やボール遊びに対する規制強化、子どもを狙った犯罪の増加などが考えられます。また、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により外で遊ぶことがますます厳しい環境になり、子どもたちの体力低下やコミュニケーション機会の減少も懸念されています。


そのような社会課題に対応すべく、児童健全育成推進財団では、子どもたちが日常生活の中で身近な自然に慣れ親しみ、外で遊ぶことの楽しさを体感するきっかけづくりとして、児童館職員を対象に「野遊び・外遊びプログラム実践研究会」を2泊3日の合宿形式で開催しています。


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子どもをとりまく環境の変化に応じてプログラムも年々改善を重ねており、4回目となる令和2年度は全国各地から19名の児童館職員が集まり、10月に新潟県立こども自然王国にて開催。野遊び・外遊びを実践しながら学び合いつつ、子どもたちへ提供するプログラムを実際に開発することに取り組みました。


当日は、”野遊びのプロ集団”である「ろぜっとわーくす」代表の中山康夫氏が講師となり、フィールド内の森林や原っぱの中で、身近な自然を使った工作や草花遊びや子どもたちに人気のアニメキャラクターを入口に、自然の中で生き物探しをしました。


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体を動かす楽しさを感じられる仕掛けづくりを推進する一般社団法人ルーデンスジャパンの山田恭平氏が講師となり、外遊びの実践の場として、自然の中で身体を動かしました。木の棒を投げて遊ぶフィンランド発祥のスポーツ「モルック」なども取り入れながら、密を避けた外遊びを行いました。講師の他にも、過去の研究会参加者が実践者となり、現場で考案した野遊び・外遊びのプログラムを提供しました。


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会のまとめとして、社会課題となっている子どもの体力低下や、コミュニケーション力、自己肯定感の向上、地域とのつながりの強化、などを焦点に置き、プログラムの開発に取り組みました。
試行錯誤を重ねた結果、大人が遊びを子どもたちに一方的に伝えるのではなく、子どもたちが自ら考え工夫し、アレンジできるよう、余白のあるプログラムが生まれました。


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プログラムは感染予防にも配慮がされており、今回参加した児童館職員を中心に全国各地の児童館でも実際に取り入れられています。


今後も児童健全育成推進財団では、子どもたちの課題解決のために全国の児童館とともに遊びの研究の場を提供してまいります。

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