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識者・応援団からのメッセージ

星出 彰彦 さんからのメッセージ

あこがれの宇宙空間に身を置いて

母なる地球の美しさ、大切さを実感

 

hoshide

星出 彰彦 さん

1968 年東京都生まれ。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業、UNIVERSITY OF HOUSTON CULLEN COLLEGE OF ENGINEERING 航空宇宙工学修士課程修了。1992 年宇宙開発事業団(NASDA、現JAXA)入社。H-Ⅱロケットなどの開発・監督業務、宇宙飛行士の技術支援業務等に従事。1999 年国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士候補者に選定され、基礎訓練を経て、2001 年宇宙飛行士として認定される。
2008 年スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗し、ロボットアームを操作しての作業等を担当。2012 年フライトエンジニアとしてISS に124 日間滞在し、3 回の船外活動を含むさまざまな作業や実験、ISS の維持管理等を実施。
主な著書に『夢をあきらめなければ宇宙にだって行ける』がある。







 

男の子なら一度はあこがれる職業、宇宙飛行士の星出彰彦さん。子どもの頃からの夢をかなえ、2回のミッションに参加しました。2回目のフライトでは船外活動も経験し、あまりの美しさに言葉を失ってしまったそうです。今回は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所におじゃまして、宇宙飛行士になるまでの経緯や、実際に宇宙へ行って感じたことなど、ワクワクするようなお話を伺いました。

 

宇宙へ行く夢をもち続けて

  宇宙への興味は、子どもの頃からありました。父の仕事の関係でアメリカに住んでいたときにケネディ宇宙センターや国立航空宇宙博物館で実物のロケットや宇宙服を見たり、テレビで『スタートレック』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』などの SFを見て、「宇宙へ行ってみたいな」と、あこがれていました。
 高校生のとき、日本人宇宙飛行士募集の計画があることを新聞記事で知り、将来の職業として本気で考えるようになりました。大学4年のときに宇宙飛行士の募集があり、応募資格(実務経験3年以上)もないのに、「次の募集はいつあるかわからないから直談判しよう」と、履歴書を持って宇宙開発事業団に行きました。「資格がないから」と、はっきり断られ、受け取ってもらえませんでしたけどね(笑)。
 大学卒業後、宇宙開発事業団に就職し、エンジニアとして働きながら宇宙飛行士を目指し、大学時代の資格がない時の直談判を含めると、3回目の挑戦で宇宙飛行士候補者に選ばれました。選ばれたときはうれしかったですが、地上で宇宙飛行士をサポートする仕事をしていて、訓練の大変さなどもわかっていましたから、「これからしっかりやらなきゃ」という思いのほうが強かったですね。
 訓練は、宇宙飛行士としての基本的な知識とスキルを身につける基礎訓練から始まり、宇宙船が過酷な場所に不時着した場合を想定したサバイバル訓練、語学の勉強など、さまざまなことを行います。私の場合、候補者に選ばれてから初飛行まで約10年間の訓練期間がありました。大変でしたが、一度もつらいと思ったことはありません。これまでできなかったことができるようになった喜びがありましたから。
hoshide




訓練の様子
JAXA/NASA














 クルーとは、ミッションに向けた最後の1〜2年の訓練からずっと一緒で、家族ぐるみで付き合いました。国によって習慣の違いはありますが、共通項のほうが多く、違いはあまり気になりませんでした。よりよい人間関係を構築することがミッション成功の鍵となりますから、人間同士の付き合いを大切にしてきました。これはクルーの間だけではなく、管制官など地上のメンバーとの関係でもいえることです。

 

宇宙から帰りたくなかった

   ロケットのエンジンを燃焼させて打ち上げてから8分30秒後、エンジンをストップさせます。その瞬間に、もう宇宙です。秒速8キロぐらいまで加速するので、重力加速度は最高で3Gぐらいかかります。最後の1分間ぐらいは自分の体重の3倍の力で押しつけられる感覚です。
 初めて宇宙に行ったとき、窓がなかったので、いつ宇宙に出たのかわかりませんでした。最初にヘルメットを袋に入れる作業をしたとき、手を離した途端、ヘルメットが目の前でくるくる回っているのを見て、「あ、来ちゃったんだ……」と(笑)。
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船外活動中の星出宇宙飛行士
JAXA/NASA

 

 

 宇宙ステーションでの生活は、地球に帰りたくなくなるくらい楽しかったです。何が楽しいのかというと、どこへ行くにも、スーパーマンのようにスーッと飛んでいける無重力の環境でしょうか。それと、窓から見た地球ですね。これは、「美しい」のひとことに尽きます。

 

(後略:続きは掲載誌 情報誌「じどうかん」2015夏号をご覧ください)

 


本星出さんの著書「夢をあきらめなければ宇宙にだって行ける」

 

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