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識者・応援団からのメッセージ

服部 幸應 さんからのメッセージ

「人」を「良く」することを育む
「食育」を実践しよう

 

Yukio Hattori

服部 幸應さん

1945 年東京都生まれ。立教大学卒業。昭和大学医学部博士課程学位取得。学校法人服部学園 服部栄養専門学校 理事長・校長/医学博士/健康大使。1991 年より食育を提唱し、服部学園で実践。食育を通した人間教育と食業界の発展を目指し、2004 年にHATTORI 食育クラブを発足。(公社)全国調理師養成施設協会会長、内閣府「食育推進評価専門委員会」座長、内閣府食育推進室「食育推進会議」委員・「食育推進基本計画検討会」委員・「食育推進有識者懇談会」委員、広島大学(医学科)客員教授、昭和大学(医学部)客員教授、東京農業大学客員教授等を務める。著書に『食育のすすめ』『食育力』『家庭の食育』『食育の本』『味を磨く』『新食育革命食がこどもたちを救う』『世界の六大料理基本事典』など、多数。







 

1991 年より「食育」を提唱し、内閣府「食育推進評価専門委員会」座長を務める服部幸應さんは、保育園、幼稚園、小学校のお母さんを対象にした講演も多く開き、その大切さを伝えています。

 

生まれたときから「食育」を

  今から28年ほど前、当学園に入学した学生に1週間の食事日記を提出させたところ、バランスの悪い食生活をしていることがわかりました。「君たちは食について指導する立場になるのだから、この食生活を立て直しなさい」と言って、2年後に再び食事日記を提出させたんです。5〜6割は改善しているかと思っていましたら、改善した人はたった6%。ほとんどが改善していませんでした。

  これはひどいと思い、いろいろ研究を進めていくうちに、18歳ぐらいの人に説明しても遅いということがわかったんです。人は幼いときに刷り込まれたものが将来にもずっと影響するので、食についても生まれたときから伝えていかなくてはいけないという考えに至りました。

  人間にとって、0歳から12歳はすごく大事な時期です。3歳までは特に重要で、授乳やその際のスキンシップによって子どもが親を親として認識し、親子関係の基礎を築く時期といわれています。

  また、人間の小脳は8歳までに完成するそうです。ということは、小脳が完成するまでにしつけをしないといけません。かつて日本の家庭では、食卓でしつけがおこなわれていました。ちゃぶ台のまわりに家族全員が集まって食事をするときに、親やおじいちゃんおばあちゃんが「姿勢が悪いぞ」「箸の使い方がおかしいよ」「ひじをついて食べるな」「クチャクチャ音をさせるな」と、子どもたちに言うわけです。毎日こんなふうに言われて育つと、食事のマナーが自然と身につくものなんですよ。今の親御さんにも、ぜひやっていただきたいですね。

  そして、大脳は12歳までに完成するそうです。大脳では、人間として良いことと悪いことを判断します。きちんとしつけがされて、人間として完成した小脳をもっていれば、大脳も人間の脳に育ちますが、小脳が未完成のままで大脳がつくられると、獣の脳になってしまうのではないでしょうか?

 

愛情ホルモン「オキシトシン」

  赤ちゃんが生まれてはじめて口にするのは、お母さんのお乳です。母乳は赤ちゃんの食事として大切なものですが、母乳には、お母さんをお母さんにしてくれる力もあります。お母さんが赤ちゃんにお乳を飲ませた瞬間、脳からオキシトシンというホルモンが分泌され、「この子はかわいい! この子を守らなければ!」と、生理的に感じさせるのです。愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンは、お母さんの母性本能にスイッチを入れ、母乳を飲んだ子どもにもお母さんを好きにさせます。相思相愛になるのです。
  オキシトシンが発見されたのは今から120年以上前ですが、研究が進むにつれて、授乳の際だけではなく、手をつないだり、抱きしめるなど、スキンシップによっても分泌されることがわかってきました。これは母と子の間だけでなく、お父さんからも出ます。ペットをなでているときも、犬からも猫からも出ます。哺乳動物ならみんな出るということがわかりました。
  目と目を見つめ合ったり、微笑み合ったり、一緒に食事をすることでもオキシトシンは分泌されますから、家族で食卓を囲むことは、親子の絆を深めるためにもとても大切なことなのです。

 

(後略)


(情報誌「じどうかん」2015春号より)

 


”食育インストラクター"(服部先生が理事長を務める「NPO日本食育インストラクター協会」が認定)がプロデュースしたキャラクター『ニコリとペロリ』パペット

 

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