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識者・応援団からのメッセージ

山崎 亮 さんからのメッセージ

地域ごとの魅力を最大限に生かした
アイディアで「まち」を元気に!

 

山崎 亮 (やまざき りょう)さん

1973 年愛知県生まれ。studio-L 代表。京都造形芸術大学教授。慶応義塾大学特別招聘教授。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わり、常時50 以上のプロジェクトに取り組んでいる。 「海士町総合振興計画」「マルヤガーデンズ」「studio-L 伊賀事務所」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞を受賞。TBS「情熱大陸」、 NHK「東北発☆未来塾」。テレビ東京「カンブリア宮殿」など、多数のメディ アに出演。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社:不動産協会賞受賞)、『コミュニティデザインの時代』(中古新書)などがある。

 

カジュアルな服装と親しみやすい笑顔で 登場した山崎亮さん。全国各地を東へ西へと飛び回り、地域の人たちと話し合いを重ねながら、さまざまな課題に取り組んでいます。 コミュニティデザインの視点か ら、児童館活動についての提案もしていただきました。

 

転校生の経験が原点?

 僕は、全国各地のさまざまな地域に入り、そこに住む人たちと一緒に地域の課題を解決し、まちづくりなどを行う「コミュニティデザイン」 の仕事をしています。見知らぬ人たちの間に入っていって、話を聞いたり、話をしたりしていますが、じつは同じようなことを子ども時代にも経験しているんです。
 僕、転校生なんですよ。親が転勤族で、小学校、中学校時代は、4年に1回ぐらいは転校していました。 転校すると、まず黒板に名前を書かれて、「よろしくお願いしまーす」 と挨拶しますが、その瞬間から勝負は始まっているんです。「この中でだれがボス的存在で、最初にだれ と仲良くすればボスのところにたどり着けるのか」「だれと友だちに なれば有利か」。こんなことばか を考えて行動していました。そう ないとクラスになじめませんから、 自分の身を守るためにやらざるを得なかったんですが、子どもながらに自分を「イヤな子どもだなあ」と、 思っていましたね。 当時はそんな自分を好きになれな かったんですが、今、仕事で集落に 入ったとき、「だれがこの集落の長老なのか」とか、「長老は人の意見をほとんど聞かないけれど、あのおばさんの言うことだけは聞くなあ」 といった「コミュニティを戦略的に 見る」ことや、知らない人たちの間で怖じ気づかずに話ができるのは、 転校生の経験があったからかな?という気はしています。

 

地域を生かした活動を

  少子化の時代の児童館は、建物の中で職員が待っているだけでは、子どもたちが押し寄せてくる施設ではなくなりつつあると思います。そこで、ひとつ提案があります。一度、児童館という建物を職員から取り上 げて、「あなたたち、ここを使っちゃダメです」と、3年間ぐらいやってみたらいかがでしょう。
 そうすると、児童館的な活動を行う場所を、たとえばアーケードや駅 前広場に求めるなど、まちのあちこちで活動が起こりますね。子どもた ちに提供するプログラムも、児童館の中だけで考えていたものとは違 い、細長いアーケードを利用したかけっこや綱引き、商店街の空き店舗 でお店屋さんごっこなど、環境から刺激を受けた新しいものが生み出されるかもしれません。商店街に児童館ができればお母さんたちが訪れる機会も増えて、地域の活性化につながる可能性もあるわけです。
 コミュニティデザイナーは、児童館という建物を持たない職員のような存在です。常に地域の中に活動 させてもらえる場所を探していて、 そこからいろいろなアイディアが沸いてくる場合もありますね。
 僕自身は、最近、講演に呼んでいただく機会が多く、 12月には「全国 児童館・児童クラブ大会」へうかがいます。東北の復興については、地域のみなさんが考え方を新しく切り 替えて、今までとは違うアイディアが出てくる状況を作り、それを自分たちで実行していくことが必要だと 思っています。
 「人口を増やして儲かる町にしてい こう」という 20世紀型復興ではな く、「豊かな自然や新鮮な食べ物など、都会にはない魅力を最大限に生かした」復興です。これは、被災地に限らず、全国の中山間・離島地域にも言えることだと思います。
 また、それぞれの地域が、地域ごとに必要な人材をどのように育てていくかも、今後の重要な課題です。地域が元気であるためには、児童館の役割もとても大切です。児童館に遊びに来ていた子どもが親になり、その子どもがまた児童館に来るような仕組みを、30 年くらいのスパンで見て、作っていけたらいいですね。

(情報誌「じどうかん」2013夏号より抜粋)

 

山崎さんが、「全国児童館・児童クラブ大会 東北復興支援フォーラム」に出演決定★

 

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