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識者・応援団からのメッセージ

佐々木 洋さんからのメッセージ

エンターテイナーとして、

身近な自然の魅力を伝えたい

 

佐々木 洋(ささき ひろし)さん

1961年、東京都江戸川区生まれ。(財)日本自然保護協会自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などを経て、25年以上にわたり環境教育・自然解説活動を展開。現在、プロフェッショナルのナチュラリスト(自然案内人)として、国内・外の各地をフィールドに、 講演、執筆、写真撮影、テレビやラジオ番組への出演・監修など幅広く活躍している。著書に、「ぼくらはみんな生きている-都市動物観察記」(講談社・平成17年度文部科学省認定小学校高学年課題図書)、「都市動物たちの事件簿」(NTT出版)、「カラスは偉い」(光文社知恵の森文庫)等がある。『モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!』(NHK教育)、『飛び出せ!科学くん』(TBSテレビ)、『それいけ!アンパンマンくらぶ』(BS日テレ) 等にレギュラー出演中。

「幼いころに遊んだ原っぱが失われていたことに憤った

 僕の仕事はプロのナチュラリスト。自然に関する講演や執筆活動に、テレビやラジ オで自然を紹介する番組の企画や監修、出演。それから自然に親しむエコロジーツアーの企画やガイドもしています。幼稚 園や学校、児童館などで催される自然観察会の講師も、大切な仕事です。  
今でこそ、自然とのふれあいを求めて、 僕を必要としてくださる方は多いですが、僕がナチュラリストを目指した30 年近 く前には、誰もそれが職業になるとは思っていませんでした。僕自身、プロのナチュラリストとして暮らしていけるようになったのは 20 年ほど前、 20 代も後半になってからです。でも、きっとこういう時代が来るという確信はありました。
 そもそものきっかけは、大学生のときに手に入れたマウンテンバイクでした。当時はまだ珍しかったそれを乗り回すのが楽しくて、ある日、少年時代に遊んでいた東京・江戸川区の原っぱや河川敷に、久しぶ りに足を運んだんです。すると、原っぱにはマンションが建ち、河川敷はグラウンドになっていました。子どものころに夢中になってアメリカザリガニやニホンアマガエル、ギンヤンマなどを捕った思い出の詰まった自然がすっかり”開発”という名のもとに荒らされていたんです。
 その光景を見たとき、自然の中で遊ぶことが大好きだった自分を思い出すと同時に、「僕の原風景を返せ」という思いが 強く突き上げてきました。それから、自然を守る生き方をしたいと考えるようになったんです。
 自然保護と言うと、ボランティア的な活動が思い浮かびますが、僕は最初から、プロを志していました。マンションやグラウ ンドを作って自然を破壊しているのは、それをビジネスとしているプロ。彼らを相手にするには、こちらもプロでなければ太刀打ちできないと思ったからです。

 

 

 

 

 


自然の奥深さを知り 楽しむことから始めよう

  自然観察の講師として児童館や学校に行くと、多くの先生方が「このあたりには自然がないんです」とおっしゃいます。しかし、この世はすべて自然です。どんな小さな児童館の庭にも何十種もの虫がいるし、植物だって生えています。もちろん、僕をがっかりさせたマンションやグラウンドに も、じつは自然は息づいている。いつも何気 なく見ている場所に、いくらでも自然はあるんです。
 ややもすると大人は、それに気付かないだけでなく、自然をちゃんと勉強してすべて知らないと子どもに教えられない、なんて思いがちですが、そんなことはありません。知らない虫や動植物に出会ったら、 子どもたちと一緒にわくわくしながら調べて、楽しめばいいんです。
 僕だって、今でも知らないことがたくさんあります。子どもが見つけた虫の種類 を聞かれて「知らない」と答えることは、あまり恥ずかしいことだと思いません。 だって、いくら勉強しても人間は自然のことのほんの一部しか学べません。どんなに科学が発達しても、僕らは葉っぱ一枚作る ことはできない生き物。僕ら自身、自然の一部として生かされているにすぎない存在なんですよ。もちろん、さらに勉強して、次に聞かれた時には答えられるようにしておくことは大切ですが…。
 僕の知人の中には、 30 年もバードウオッチングを楽しんでいるけれど、鳥の名前はひとつも知らないというご婦人もいます。けれど、それも立派な自然との親しみ方。「これは前に見たことのある鳥だ」と分かるだけでも、その人は自然との関係がワンランク進んでいるんです。
僕の仕事は、そうした自然との出会いの扉を開くこと。身近な自然からでも、 毎日のように新しい発見ができることを、 ひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思っているんです。

                            (情報誌「じどうかん」2011夏号より一部抜粋)


お知らせ

  わざわざ野山へ行かなくても身近にいろんな虫たちがいることを教えてくれる『家族で見つける町の虫とりハンドブック』(岳陽舎)に佐々木さんのサインをいれて1名様にプレゼントします。

 締め切り:2011/8/10
 応募はこちらから。

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