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識者・応援団からのメッセージ

北斗 晶さんからのメッセージ

今の大人は子どもに気遣い過ぎ!

聞き分けのない子どもには愛のゲンコツ

 

北斗 晶(ほくと あきら)さん

1985年、全日本女子プロレスからデビュー。「デンジャラス・クイーン」の愛称で人気を博す。1995年、プロレスラーの佐々木健介選手と結婚。出産後もリングに復帰し、初のママさんプロレスラーとして話題を集めた。2002年の引退後は「健介オフィス」を設立し、社長、マネージャー、セコンドとして佐々木選手をサポートする。またタレントとしてテレビのバラエティ番組にも多数出演し、「鬼嫁」「かかあ天下」のキャラクターが定着している。


女子プロレス界初のママさんレスラー

 女子プロレスの世界は「三禁」といって、酒・男・タバコがご法度なんです。「結婚する」イコール「引退」が暗黙のルールでしたけど、旦那の(佐々木)健介との結婚を決めたときは、まだ選手として十分に自信があったので、ここで辞めたら後悔してしまうと思ったんです。もともと、男の人は結婚しても辞めなくてもいいのに、女だけ辞めなければいけないのは、おかしいなぁと思っていたので。だから健介と一緒に所属会社に掛け合って、「特例として認めましょう」と言ってもらいました。それで現役を続行できたんです。その後は「北斗晶だから認められたんだ」と周りの人に納得してもらえるように、これまで以上に頑張りました。  

 私、現役の頃は体重が57キロほどで、選手としてはもう少し重量が欲しかったんです。けれども、どうしても体重は増えなかった。ところがある日、何だか肉付きがよくなったなぁと気づいて。「もしかしたら!」って、ハッとして産科で調べてもらったところ、妊娠2カ月でした。その翌日から、試合予定は全部キャンセル。お腹の中に赤ちゃんがいたのに、2カ月間もハードな試合をこなしていたわけですから、どうか五体満足で生まれてくれって、それだけを祈っていました。

 妊娠が分かったとき、「これで引退します」って発表するのを忘れちゃったんです。それもあって、出産した翌年に現役復帰。一試合だけ戦って引退するつもりでしたが、“ママさんレスラー”なんて初めての例ですから、マスコミで大きな話題になっちゃって、今度は引っ込みがつかなくなって、3年近くリングに上がり続けました。

 

子どもを恐れない大人 大人を怖がらない子ども

 叱っても言うことを聞かない子どもに対しては、ゲンコツの一発や二発喰らわせてもいいと思っているんです。さすがに他人の子どもさんにゲンコツはしないですけど、ケツぐらいは引っぱたきます。たとえば長男の友だちがウチにあそびに来たときでも、挨拶しなかったら「コラ待て!」って捕まえていますよ(笑)。「人んちに来たら『お邪魔します』って挨拶しなきゃダメだろ」って。汚い靴下で上がりこんできたら「その汚いのを脱げ」とかね。父兄からのクレームですか? 私に文句をいう勇気のある親御さんなんていませんよ(笑)もちろん、ちゃんとできたら褒めてあげています。

 今の時代は、親も学校の先生も、子どもに気を使っているんです。だから子どもに対して怒らない。それじゃあ、子どもは大人なんて怖くないと思っちゃいますよ。親、先生、それから地域の人たちが一緒になって、みんなで子どもを育てていかないと将来、大変なことになると思います。

 私は保護者会の役員をしているので、腕章を付けて通学路のパトロールをしているんです。下校時間になると、子どもたちが帰ってきますよね。私はどの子にも「お帰り」って笑顔を向けるんですが、軽く会釈だけする子、無視して素通りする子も中にはいます。子どもたちがそうなっちゃったのは、親から「知らない人とは口をきくな」「知っている人でも気をつけろ」って諭されているからなんです。その結果、「こんにちは」すら言えなくなってしまったんです。そういう場合、私は呼び止めて「ただいまは?」って挨拶を促しています。

 

つらいときはお互いさま 夫婦二人三脚で乗り越える

 最近では、偉そうに料理の本なんかも出させてもらっていますが、基本的には“ぐうたら主婦”です。昼間、子どもたちは幼稚園と学校に行っていますし、私は大抵、夜まで仕事。なので、せめて朝食だけはマシなものをと心がけています。ウインナーとタマゴを焼いたのと、温かいご飯、具だくさんの味噌汁ぐらいなんですけど。下の子が通う幼稚園ではお弁当の日があって、手作り弁当を渡すとすごく喜んでくれる。毎日の朝食とお弁当、それから仕事がオフの日には料理に腕を振るって、愛情込めて親らしいことをしているつもりです。

 私たち家族は健介が所属会社を辞めて、無収入だった時代があるんです。健介が辞める前から悩んでいることは分かっていたから、相談されたときも「辞めちゃいな」って言いました。暗い顔をして家を出て行かれて、もう二度と帰ってこなかったなんていうのは絶対イヤなんです。プロレス業界に限らず、普通のサラリーマンだって、会社に行くときに交通事故にあうかもしれないし、上から何か落っこちしてきて怪我をすることだってあるかもしれない。だから、楽しくない仕事にため息をつきながら行くくらいなら、収入が減ってもいいから、笑って「今日も楽しかったよ」って帰ってきてほしい。健介は私のことを可愛がってくれたから、今度は私が可愛がってやろうじゃないかって。ただ「私が働くから、あんたは好きにしてなさいよ」なんて言ったらグウタラ男になっちゃうから、尻をたたいて立ち上がらせましたけどね。この人となら幸せになれると思ったから結婚した。だから辛いときも二人三脚で乗り越えなくちゃ。私は「鬼嫁」なんて言われてますけど、昔から天下を取った男たちの嫁は、みんな、おっかなかったんですよ(笑)


北斗さん本忙しい北斗さんだから考えられる手軽で美味しいお料理本。
『別冊エッセ 北斗晶さんちの愛情ごはん』(2008/12)扶桑社

(情報誌「じどうかん」2008冬号より)

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